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臨床試験のご報告(アナモレリン)

本邦未承認情報が含まれています。
審査報告書において、これらの追加の試験結果をPMDAに報告することとされており、PMDAの指示に基づいて当社HPに公開しているものです。  

海外第III相試験(ANAM-17-20試験及びANAM-17-21試験)

【目的】
がん悪液質に対するアナモレリン塩酸塩(以下、本剤)の有効性及び安全性について、プラセボ対照多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験により検討する。  

【方法】
がん悪液質を有する636名(ANAM-17-20試験:318名、ANAM-17-21試験:318名)の非小細胞肺がん患者(NSCLC)を本剤100 mg群とプラセボ群に1:1で無作為化した。主な選択基準は、進行NSCLC、ECOG PS 0-2、BMI<20 kg/m2かつ過去6カ月以内で2%を超える恣意的でない体重減少、食欲不振を有する患者。
投与期間は24週間で、主要評価項目は体重の12週間の平均変化量及びFAACT(Functional Assessment of Anorexia/Cachexia Treatment)における5つの食欲不振症状の質問項目の合計点の12週間の平均変化量であった。

【結果】
体重について、12週間のベースラインからの変化で本剤100 mg群はプラセボ群と比較して有意な増加効果を認めた(ANAM-17-20試験:プラセボ群との群間差1.345±0.320 kg、95% CI 0.718~1.971、P<0.0001、ANAM-17-21試験:プラセボ群との群間差1.284±0.289 kg、95%CI 0.718~1.851、P<0.0001)。
一方、FAACTの食欲スコアについては、有意な改善効果を認めなかった(ANAM-17-20試験:プラセボ群との群間差0.622±0.434、95%CI -0.228~1.472、P=0.1514,ANAM-17-21試験:プラセボ群との群間差0.141±0.399、95%CI -0.641~0.923、P=0.7241)。
有害事象について、重篤な有害事象(SAE)の発現頻度は、ANAM-17-20試験:本剤100 mg群27.04%(43/159)、プラセボ群24.53%(39/159)、ANAM-17-21試験:本剤100 mg群28.57%(44/154)、プラセボ群28.05%(46/164)であった。
いずれかの投与群で3名以上に認められたSAEは、ANAM-17-20試験:NSCLCが本剤100 mg群9.43%(15/159)、プラセボ群10.06%(16/159)、中枢神経系転移が本剤100 mg群1.89%(3/159)、プラセボ群0.63%(1/159)、呼吸困難が本剤100 mg群発現なし、プラセボ群1.89%(3/159)、ANAM-17-21試験:NSCLCが本剤100 mg群11.69%(18/154)、プラセボ群11.59%(19/164)、貧血が本剤100 mg群2.60%(4/154)、プラセボ群1.83%(3/164)、コロナウイルス感染が本剤100 mg群1.95%(3/154)、プラセボ群1.22%(2/164)、肺炎が本剤100 mg群1.95%(3/154)、プラセボ群1.83%(3/164)であった。

出典:
ClinicalTrials.gov ID: ANAM-17-20試験:NCT03743051、ANAM-17-21試験:NCT03743064

国内第III相試験(ONO-7643-06試験)

【目的】
がん悪液質に対するアナモレリン塩酸塩(以下、本剤)の有効性及び安全性について、多施設共同非盲検非対照試験により検討する。

【方法】
がん悪液質を有する102名のがん患者が登録され、101名に本剤を投与した。
主な選択基準は、進行又は術後再発がん(非小細胞肺がん又は消化器がん)、ECOG PS 0-2、BMI<20 kg/m2かつ過去6カ月以内で2%を超える恣意的でない体重減少、食欲不振を有する患者。
投与期間は24週間で、主要評価項目は治療期9週時点において、ベースラインと比較して体重が5%以上増加、ベースラインと比較してFAACTの5つの食欲不振症状の質問項目の合計点が2点以上増加、治療期64日時点で生存の3つ全て(Composite Clinical Response:CCR)を満たす被験者の割合であった。

【結果】
CCRを満たす被験者の割合は25.9%(26/102)(95%CI 18.3~35.3)であり、非小細胞肺がん患者で29.0%(23/81)(95%CI 20.1~39.7)、消化器がん患者で14.3%(3/21)(95%CI 5.0~34.6)あった。CCRを満たす被験者の割合の95%CIの下限は、事前に規定していた閾値有効率8.0%を上回った。
ベースラインと比較して体重が5%以上増加した被験者の割合は、治療期9週時点で43.2%(44/102)であった。ベースラインと比較してFAACTの5つの食欲不振症状の質問項目の合計点が2点以上増加した被験者の割合は、治療期9週時点で61.0%(62/102)であった。
有害事象の発現頻度は87.1%(88/101)、副作用は36.6%(37/101)であり、重篤な有害事象の発現頻度は22.8%(23/101)、重篤な副作用は6.9%(7/101)であった。
重篤な副作用の内訳は、肺臓炎、上室性期外収縮、胃穿孔、肝機能異常、肺炎、糖尿病、高血糖及び一過性脳虚血発作が各1名(1.0%)であった。

出典:
Cancer. 2022;128:2025-2035.

 

作成年月:2024年10月

 

医薬品添付文書から抜粋

5. 効能又は効果に関連する注意
5. 3 6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、かつ以下の①~③のうち2つ以上を認める患者に使用すること。
 ①疲労または倦怠感
 ②全身の筋力低下
 ③CRP値0.5mg/dL超、ヘモグロビン値12g/dL未満又はアルブミン値3.2g/dL未満のいずれか1つ以上

詳細は添付文書をご確認ください。

臨床試験に関するお問い合わせ

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